自治体・地方創生

自治体RPA導入事例8選|定型業務の自動化で年間数千時間を削減

自治体におけるRPA導入の成功事例を8件紹介。税務、福祉、人事など分野別の導入効果と、費用対効果、導入時の注意点を詳しく解説します。

2026-04-10·11 分·Tech.st編集部

自治体でRPA導入が加速する背景

RPA(Robotic Process Automation)は、パソコン上の定型的な操作を自動化するソフトウェアロボットです。自治体業務には、データの転記や集計、帳票作成など、定型的な作業が多く存在し、RPAの導入効果が非常に高い領域です。

総務省の調査(2025年度)によると、RPAを導入済みの自治体は都道府県で92%、政令指定都市で100%、市区町村で約52%に達しています。特に中小規模の自治体での導入が近年急速に進んでいます。

RPAが自治体で注目される理由は以下のとおりです。

  • プログラミング不要:ノーコードで業務の自動化が可能
  • 既存システムの改修不要:現在のシステムをそのまま使いながら自動化できる
  • 短期間で導入可能:1業務あたり2〜4週間で自動化が完了
  • 高い費用対効果:投資回収期間が平均6〜12ヶ月と短い

この記事では、全国の自治体におけるRPA導入の成功事例を8件ご紹介します。

税務・会計分野のRPA事例

事例1:ふるさと納税処理の自動化(茨城県つくば市)

つくば市では、ふるさと納税の寄附金受領証明書の作成・発送業務をRPAで自動化しました。年末に集中する大量の処理を、ロボットが24時間自動で処理します。

  • 対象業務:寄附情報のダウンロード→証明書作成→印刷データ生成
  • 年間処理件数:約3万件
  • 削減時間:年間約800時間
  • 処理速度:人手の約5倍
  • ミス発生率:人手の場合0.3%→RPA導入後0.01%以下

事例2:固定資産税の課税データ処理(愛知県豊田市)

豊田市は、固定資産税の課税に必要なデータの入力・照合業務をRPAで自動化しています。

  • 対象業務:登記情報の取得→課税台帳への入力→データ照合
  • 削減時間:年間約1,200時間
  • 入力ミス:ゼロ(100%の精度で転記)
  • 職員の声:「繁忙期の残業が大幅に減り、住民対応に集中できるようになった」

住民サービス分野のRPA事例

事例3:転入届処理の効率化(神奈川県横須賀市)

横須賀市では、転入届に伴う各種システムへのデータ入力をRPAで自動化しました。住民基本台帳、国民健康保険、児童手当など、転入時に更新が必要な7つのシステムへの入力を自動化しています。

  • 対象システム数:7システム
  • 1件あたりの処理時間:30分→8分(約73%短縮)
  • 年間削減時間:約600時間
  • 住民の窓口待ち時間:平均20分短縮

事例4:保育所入所選考の自動化(埼玉県さいたま市)

さいたま市は、保育所の入所選考業務にRPAとAIを組み合わせたシステムを導入しました。従来は職員が手作業で行っていた点数計算とマッチング処理を自動化しています。

  • 従来の選考作業:職員約30人が延べ1,500時間
  • RPA導入後:約30時間で完了(99%削減)
  • 選考の公平性:属人的な判断がなくなり、透明性が向上
  • 結果通知:従来より2週間早く発送可能に

内部管理業務のRPA事例

事例5:出退勤管理・勤務時間集計(熊本県熊本市)

熊本市では、職員の出退勤データの集計と、超過勤務の算出をRPAで自動化しています。

  • 対象職員数:約7,000人
  • 月次集計時間:約40時間→約2時間
  • 年間削減時間:約460時間
  • 集計ミス:ゼロ

事例6:補助金申請書の審査支援(北海道札幌市)

札幌市は、中小企業向け補助金の申請書類チェックにRPAを活用しています。必要書類の有無、記載項目の不備、金額の整合性などを自動チェックします。

  • 1件あたりの審査時間:45分→15分(67%短縮)
  • 年間処理件数:約2,000件
  • 年間削減時間:約1,000時間
  • 書類不備の見落とし:90%減少

福祉・医療分野のRPA事例

事例7:介護保険の認定処理(大阪府堺市)

堺市では、介護保険の要介護認定に関するデータ入力と通知書作成をRPAで自動化しています。

  • 対象業務:認定調査結果の入力→一次判定→通知書作成
  • 年間処理件数:約1.5万件
  • 削減時間:年間約900時間
  • 通知書発送までの日数:平均5日短縮

事例8:国民健康保険の資格管理(宮城県仙台市)

仙台市は、国民健康保険の加入・脱退に伴う資格情報の更新処理をRPAで自動化しています。

  • 日次処理件数:約200件
  • 1件あたりの処理時間:8分→2分(75%短縮)
  • 年間削減時間:約1,500時間
  • データ不整合:95%減少

RPA導入の費用対効果まとめ

各事例の費用対効果を一覧にまとめます。

事例年間削減時間削減額(人件費換算)RPA年間費用ROI

ふるさと納税(つくば市)800h約320万円約80万円300%
固定資産税(豊田市)1,200h約480万円約120万円300%
転入届処理(横須賀市)600h約240万円約100万円140%
保育所選考(さいたま市)1,470h約590万円約200万円195%
出退勤管理(熊本市)460h約184万円約60万円207%
補助金審査(札幌市)1,000h約400万円約100万円300%
介護保険(堺市)900h約360万円約90万円300%
国保資格管理(仙台市)1,500h約600万円約150万円300%

※人件費単価は4,000円/時間(一般行政職平均)で算出

RPA導入を成功させるポイント

自治体でRPAを導入する際のポイントを整理します。

  • 業務の「見える化」から始める:自動化の前に、現在の業務フローを詳細に可視化する。この作業自体が業務改善のきっかけになることも多い
  • 全庁的な推進体制を構築する:情報部門だけでなく、各業務部門にRPA推進担当を配置する
  • 職員を「開発者」に育てる:外部ベンダーに依存せず、職員が自らRPAを開発・保守できる体制を目指す
  • 効果を可視化して横展開する:先行導入部署の成功事例を庁内で共有し、他部署への展開を促進する
  • AI連携を見据えた設計:RPAとAI-OCR、生成AIなどを組み合わせることで、さらに高い効果を実現できる

RPAの導入は、自治体業務の効率化における第一歩として最適です。「どの業務から自動化すべきか相談したい」「RPA導入の費用感を知りたい」という方は、AI窓口(ai-madoguchi.com)の無料相談をご活用ください。業務分析からツール選定、導入支援まで、一貫したサポートを提供いたします。

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